逆子に対する鍼灸アプローチ

- update更新日 : 2022年05月01日
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逆子の原因

逆子の原因として考えられるものには「前置胎盤」や「子宮筋腫」など子宮の変異によるものがありますが、多くの逆子は原因不明と言われています。

ですが子宮の中で育つ胎児ですので、子宮環境との関係性は深く、ホルモンバランスや自律神経の乱れがあると子宮への血流が悪くなったり、筋肉で出来ている子宮の筋肉硬直に繋がったりします。

その影響で硬くなった子宮の中に居る胎児はスムーズに体動出来なくなり、逆子状態から本来の位置に戻れなくなってしまうのが大きな原因と考えられます。

逆子のリスク

帝王切開のリスク

帝王切開は逆子でも安全に出産する為の大切な手段です。ですが、出来れば自然分娩が生き物(動物)として理想の出産になります。

帝王切開を必要とする事無く、自然分娩で産める状態が、母子ともに身体的良好な状態でもあります。

更には、「自力で出産したい」「傷を残したくない」「たくさん子供が欲しい」など‟お母さんの気持ち”も大切にしたい部分です。

破水のリスク

逆子は、破水してしまった場合に羊水量が急激に減少して胎児が呼吸できなくなるという危険性があります。

逆子は難産や帝王切開といったリスクを伴う部分がよく言われますが、破水した時の危険性もあるので安心して妊娠期を過ごすためにも改善しておいた方が良いものです。

逆子はりきゅう治療を受けるタイミング

妊娠中期までの時期は約30~50%程度の方が「逆子」と診断されますが、妊娠後期の37週になると3~5%まで下がるので、妊娠中期までに逆子と診断されたとしても多くの方が自然に逆子が治る状態になれるのです。

グラフ

一方、28週目で逆子と診断された方の10人に1人は出産目前の37週になっても逆子が治っていない事からも、28週目を目安として逆子治療に取り組むことをお勧めします。

逆子に対しての鍼灸施術

母子共に負担の少ない鍼灸施術

逆子に対して鍼灸治療となるとお灸を使う事が多いですが当院では鍼を使って施術致します。

施術後はそのまま帰って頂き普通に生活を送って頂いて大丈夫です。

自律神経の安定が逆子の改善に繋がる

自律神経を整えて安定母体

逆子に対して鍼灸施術のメカニズムですが、鍼灸の最も得意とする分野が自律神経を整える部分です。自律神経はリラックス状態と興奮状態のバランスを取るスイッチの様なものです。

寝る時など身体をリラックスさせたい時に「副交感神経」のスイッチを入れて、運動など身体を動かす時に興奮状態の「交感神経」のスイッチを入れるものです。

自律神経が乱れているとこのスイッチをうまくコントロール出来ず、寝たい時に興奮する「交感神経」のスイッチが入ってしまったりするのです。

血管も自律神経でコントロールされていて、子宮への血流量はリラックスした時に多くなり、興奮状態で「交感神経」のスイッチが入っている時は、血流が悪くなってしまうのです。

出産への緊張が無意識ストレスになっているかも

自律神経はストレスなどの影響を大きく受けるので、その様な原因で子宮への血流が悪くなり結果的に栄養不足で働きが悪くなった子宮は機能が落ちて自力で逆子を改善出来ない状態になってしまうのです。

その様なことから婦人科系のツボに鍼灸施術を施す事で子宮への血流が良くなり、逆子改善に繋がる体質を作る事が出来るのです。

心身安定が安産に繋がる

最後になりますが、子宮など生殖器(内臓)への血流が安定した状態(体調)であれば、逆子だけでなく流産予防や安産、妊娠期の母体安定にも繋がります。

そういった意味では、妊娠期のどの時期でも鍼灸を受けて自律神経を整えておくことは、安産に向けて準備を整える事にもなります。

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